2021/04/30

Condor2で使うコントローラー(その2:ラダーペダル)

  昨日、ジョイスティックについて書いたところ何だか人気の模様。続けてラダーペダルについて書いてみます。

 グライダーシムに来る前にはPC98あたりで戦闘機シムで遊んでいたのですが、そうしたフライトシムの黎明期にはVertualな世界にはまだ横風なんてものは存在していなくて、ちゃっちいJoystickで充分だった。その後A10が出てきたとき、それが一転してしまって、なんと横風の中で離陸滑走しなくてはいけなくなってしまいました。やはりペダルがないと全然まっすぐ滑走出来なくて、せっかく購入したソフトをインストールしたあとで途方に暮れていました。

 まぁ、ジェット戦闘機のゲームだと滑りなんて気にしなくて良いのかもしれないですが、グライダーでは滑りはそのままL/Dの低下に繋がりますし、旋回中の滑りは下手すると命取り、スピンしちゃいます。三舵の調和を練習するにはやっぱりStickの捻りでは難しくてペダルが必要ですね。

 と、前置きが長くなってしまいましたが、以下PC用のラダーペダルを三種類ほど紹介してみます。

【ラダーペダル】


 私が初めて使ったペダルはまだゲームポートを使っていた時代のThrustmaster社のものでしたが、本格的にグライダーシムやりはじめた時に購入したのはSaitek Pro Flight Rudder Pedals。実は今も使っていてもう10年くらいになりますかね。右の写真は、その後Logitech社に買い取られてからの現行品。中身は一緒だと思います。ペダルのZ軸だけでなくて、左右のブレーキペダルもあるので3つアナログ軸があります。でも、CondorではZ軸だけしか使ってません。真ん中のダイアルでペダルの重さが調節出来る事になっていますが、私には幾ら回しても重さの違いが判りません。定価は約24,000円とちょっと高めのお値段ですが、やはりペダルがあると格段に操縦してる感がでてきます。


 そろそろ買い替えかなと思っていたところ、前のブログに書いたThrustmasterのT.130000Mの3点セットが大安売りをしていたので思わずポチってしまいました。出荷予定が随分遅くなってまだ発送されていないので使用感はまだ分かりませんがお値段はお手ごろだと思います。ペダル単体のお値段が約15,000円、上記と比べるとかなり安い。

 さてさて、Reviewを調べてみました。ブログに載せた写真は縮尺が異なるので分かりにくいですが、Thrustmasterはペダルの間隔が狭くて足を閉じて操作する感じ。一方のLogitech(日本でのブランド名はLogicool)のほうは少し足を開いて操作する感じ。私のようにまたぐらのあたりにJoystickを置いて使っている人にはThrustmasterはちょっと使いにくいかもしれないです。それと、よく見るとThrustmasterの方にはペダルを台に固定するネジ穴がありません。Logitechの方は8個もネジ穴があってハンコン台などに固定することが簡単に出来ます。一方、Thrustmasterには面白い機能があって、USBケーブルの途中にフライトモードとドライブモードの切り換えがあります。どうやらドライブモードに切り換えると右足と左足の操作をアクセル/ブレーキの組み合わせに切り換えることが出来るようです。この二種類のペダルの比較についてはこちらをどうぞ。英語ですが見てれば何とはなく分かると思います。

 最後にご紹介するのはCH Products Pro Pedals。大昔はフライトシムで使うコントローラーといえばこの会社の製品が代表だった(これしかなかった?)のですが、日本の代理店がなくなってしまったのでしょうか、いつの頃からか見かけることがすっかり少なくなりました。Amazonで見つけたのも並行輸入品でした。使用感は分かりませんが昔から売られていますので信頼感はあるだろうと思います。

 以上、この三つの製品が比較的購入しやすい価格帯です。さらに重厚感、本物感を求める方には5万円以上もする高級品がいくつか出ていますが、ペダルは比較的自作しやすいようでもあって、Arduinoなんかでコントローラを作ってパイプで組み上げてしまう方も居られるようです。グライダーのペダルも足元覗いてみると結構ちゃっちい仕組みですよね。あのワイヤーにコントローラを付ける感じです。

 では、今回のラダー特集はこのあたりで。次回はこれがなければCondorで飛び回ることはできないと思っているヘッドトラッキングについて書いてみます。    (NT3)

 

2021/04/29

Condor2で使うコントローラー(その1:ジョイスティック/スロットルコントローラー)

 Condorを楽しむためにはまずは何といってもジョイスティックがなければ始まりません。でも他にもそろえると楽しめる道具がいろいろとあります。これからこのブログでCondorで使うコントローラーについて順番に書いてみようと思います。

【ジョイスティック】

 まずはジョイスティック。雰囲気からしてもリアルのグライダー乗りはゲームコントローラーではダメでしょう。ペダルを一緒に購入出来ない方はまずはスティックの捻りでラダーをコントロール出来るジョイスティックを購入してCondorでグライダー操縦を始めて下さい。Auto Rudderでは横風の離発着は出来ないと思います。

 では、どんなジョイスティックが使いやすいか。私はいくつかのジョイスティックを乗り換えてきたので使用感も含めて説明してみます。

Logitech Extreme 3D Pro
 私が使ったことがある初心者向け廉価タイプのものはLogitech Extreme 3D Pro。価格は安いが作りはしっかりしている。捻りも使ったX軸Y軸Z軸の操縦に加えてスライダーがもう一つついているのでダイブブレーキかトリムを割り当てることができる。難点はスティックのバネが重いこと。旋回中はラダーを宛てないといけないので捻りながら当て舵というのは結構疲れます。そして左旋回の時はラダーを当てるのに掌側に巻き込むだけで良いのですが、右旋回は手の甲の方にひねらないといけないので私にはとても違和感があって、これを使っていた当時は右旋回は全くきれいに回れないのでいつも左旋回ばかり。今もそのクセで左旋回がほとんどです。欧米の人たちのサーバに入っていくと彼らもなぜかほとんど左旋回。一方、日本の方は結構右旋回が多いなぁと思います。AキーでAuto Rudderをかましているんでしょうか?


MSFF2

 さてさて、CondorではForce Feedbackにも対応しているので既に絶版になっているMicrosoft Sidewinder Force Feedback 2を使っている方も多いようです。私も大昔まだPCがゲームポートを使っている時代に使ったことがあるのですが臨場感高いです。興味の有る方はオークションサイトで探してみて下さい。MSFF2以降、Force Feedbackのジョイスティックが出てこないのですが、どこかメーカーさん作ってくれないかなぁと思います。


【スロットルコントローラー】

 次にダイブブレーキの雰囲気を出すのにスロットルコントローラーが欲しくなるのですが、それには二種類のアプローチがあって①最初からセットになったものを購入する②別々に好きなものを買って組み合わせで使うという方法があります。後者の場合、メーカーが異なってしまうと各社専用のソフトをいれてボタンの設定をするのは面倒だったりするのですが、その場合はJoyToKeyを使うと一括で処理出来て便利です。

 私は皆さんにスロットルコントローラーを使うことをお勧めしているのですが、その理由はスティックにスロットルコントローラーを加えると、アナログ軸でダイブブレーキとエレベータートリムの両方を設定出来ること。それからCondorを使い込んでいくと、バリオの設定やPDAの切り換え、動力機のエンジン操作などをするようになってジョイスティックだけではボタンの数が足りなくなってきます。また、VRのお使いの方は普通のキーボードを使うのは難しいのでコントローラーだけで操作出来るようになると便利だと思います。


 私が以前使っていて結構気に入っていたセットものはSaitek X52 pro、今は名前が変わってLogicool X52 pro。かなり使い込みました。何年か使っていたらスティックのバネが軋み音を立てるようになってきたので油をさすようになりましたがスプリング調整も出来て操作は軽くとても扱い安かったです。MSFSだと液晶にいろいろ情報を出すことが出来るのですが、その他のシムでは全く使うことが出来ないのがちょっと残念。


 最近気になっているのは、Thrustmaster社T.16000Mシリーズ。スティック、スロットル、ラダーの3つがラインナップしていて、それぞれ単品、スティック/スロットルセット3点全部セットで購入可能。単品でも割と廉価な上に、セットにするともっと買いやすい値段になっています。プラスチック製で重厚感はありませんが結構使えそうです。このシリーズでは私はスロットルしか使っていないので肝心のスティックの使用感はよく判らないのですが、そこそこの評判は得ているようです。一方、スロットルコントローラーは机の上で滑りやすくてスロットルを動かすたびに前後にズルズル動いてしまいます。他社製品では軸を中心としたレバー操作なので動きにくいのですが、このスロットルはグライダーのダイブブレーキのように前後にスライドさせる仕組みなのでどうしても動きやすくなってしまっています。スロットルの下にすべり止めを敷くなど工夫が必要です。


 もう一つ、同社のAirbusシリーズには少し違った意味で興味をそそられるところがあります。スティックは先のT.16000Mと中身は同じらしいですが、スロットルが旅客機型になっています。エアバス社のライセンスもらっているようですので値段はちょっとお高め。スロットルには追加アタッチメントもあるので旅客機シムなら雰囲気でそうですね。




T.Flight Hotas

 なお、同社には一つ残念な商品があってT.Flight Hotasというスティックとスロットルの合体型、これは皆さんには買って欲しくない商品です。実は結構面白そうだと思って購入して試してみたのですが、スティックのストローク、舵角がえらく小さくて何だか、オン/オフの二つしかない感じ。舵を大きく使ったり小さく使ったりという使い分けが難しくて楽しめませんでした。フライトシム用ではなくてアーケードゲーム用かなという感じです。(グライダーの操縦感覚から大きく外れているので注意)


VirPir, VPC MongoosT-50

 あと、スティックとスロットルについては戦闘機タイプの結構高級品もあって、スティックだとスペーサーを入れていわゆる操縦桿の長さに出来るものもありますし、スロットルの方も複数エンジンコントロールやトグルスイッチがいくつも付いたスロットルだけで5万円以上もするものがあったりします。私はスティックの方は奮発してVirPir社の操縦桿タイプのものにしましたが、グライダーの場合は戦闘機と違ってそんなに多くのコントロールやボタンを必要としませんのでスロットルのほうは中級クラスの上記T.16000Mを使ってます。




Logitech, Throttle Quadrant

 そして、スロットルだけ購入という場合はLogitech G Throttle Quadrantというコントローラーもあってシンプルで良いなと思っています。一度使ってみたいコントローラーです。ボタンは少ないですが、アナログ軸が3本あるのでダイブとトリムに加えてフラップもアナログ軸に割り当てることが出来そうです。




PXN フライトスティック

 あっ、一つ忘れてました。Condor用にジョイスティックを買う際にAmazonで調べているとPXNという会社の製品でスティックとスロットルのセットのものがあって比較的手ごろな値段なのですが、Condorではなぜか認識されないとCondorのフォーラムで時々話題になるのでご注意下さい。先に書いたJoyToKeyなどの設定アプリを使うと大丈夫かもしれませんが、私は使ったことがないのでもしどなたかご存知の方が居られたら教えてください。(このジョイスティックセットはCondorで使えない可能性が高いので注意 試しに使ってみたら意外と使えました。ネット上で問題になっているのはスティックに添付されてくるソフトの方なので先にかいたJoyToKeyを使えば問題ないと思います。)


 今回はジョイスティックとスロットルコントローラーについて書いてみました。次回はラダーペダルを予定しています。(NT3)

2021/04/28

JP Saturday Flight: 5月1日(土)のタスク

 4月のCentro Italiaのタスクは楽しんでいただけたでしょうか。AA2の様な深い山ではないですが、それなりに地形を読んで飛ぶ必要があったと思います。

 さて、5月は予告通り、米国東海岸Ridge North (Condor 2)のシーナリーです。遠くから見ると平原なんですが、標高差で300mくらいの筋のようなリッジが幾重にも出来ています。タスクはいずれもサーマルタスクとしても飛べるのですが、この300mくらいのリッジまで降りてきて数十kmを時速200km/h前後でカっ飛んでいくレースです。問題は低いリッジから隣のリッジまでどうやって移っていくか。どこでサーマルに切り換えるか。その判断が試されます。

 今回は普段のCondorのタスクでは見ないようなレース展開になると思います。このシーナリーを初めて飛ばれる方は、前のブログポストに距離の短い練習タスクを載せてありますのでちょっと練習しておいて下さい。また、いきなりリッジで始まるタスクはレガッタレースにしてあります。200km/h以上のスピードで皆さん突っ込んでいくことになりますので以下のフライトルールを守って安全にレースを楽しんで下さい。

 ①リッジを飛ぶ時のルール



  ②航空機の進路権について


 それでは初日5月1日のタスクの説明です。

1.サーバスタート:5月1日(土)午後9時。エントリーは20分間 
2.ゲートオープン:今回はレガッタスタート。エントリー締め切りの5分後にスタートです。曳航は4分程度で終わりますので、9時20分ぎりぎりに入ってきてもスタートには何とか間に合う様に設定してあります。早めに入られた方はロケットスタートに失敗して空中分解しないよう気をつけて下さい。
3.クラス:スタンダードクラス
4.タスク:204.1km リッジタスク
5.スタート高度:800m(海抜)R/Wからの標高差は約550m(リッジのてっぺんからは200mくらい)
6.トラックデータのアップロード、成績の発表はこちら
7.XCSoar用のタスクはこちら

 スタートから左回りのタスクです。まずはTP1に向って出来るだけリッジを飛んでいきたいのですが、TP1は少しリッジから離れています。さて、どこでサーマルに切り換えるか?また、途中で微妙にリッジを乗り換える必要もあります。今回はレガッタスタートなので他機の動きが気になるところ。皆さんどんな作戦でいきますかな?

 次のTP1からTP2へは風上に向っていきます。TP2を回った後にすぐにはリッジに入れないのでどのくらいの高度でTP2を通過するのが良いのか。。。

 TP3の通過後は無駄に高度を稼ぐ必要はありません。次のリッジまでたどり着くための高度を稼ぐことが出来れば良いので、サーマルの強さ、獲得高度をどう見極めるかがタスク攻略の鍵といえます。

 普通のサーマルレースの飛び方とは違って、長いリッジを飛んでいく時にはバリオにMC値を設定して、、、なんてことにはなりません。私は正しく習ったことがないのでもし間違っていたらご指摘いただきたいのですが、私はリッジの形状と風向きを考えて上昇風の強そうなラインを考えつつ、①バリオをVモードにして±0になる速度で飛ぶ(斜面風が弱くなったら減速、強くなったら増速)、②たまにどか〜んと強いプラスがあったらちょっとスティックを引いて高度を稼いだ後、その獲得高度を速度に変換(増速)してリッジまで降りていくという飛び方をしています。そして、リッジの遷移中(サーマルを使って飛んで行く間)はいつものようにサーマルの平均上昇率をMCに設定してバリオをCモードで飛んでいくようにしています。

 最後に今回も下見用にGoogle Earthのデータを作りました。

 さぁ、今月はどんなレースを楽しむことが出来るでしょうか。さらに多くの皆さんの参加をお待ちしています。(NT3)



 


2021/04/21

JP Saturday Flight: 4月24日(土)のタスク

 先週のタスクエリアは私にとっては割とエキゾチックな雰囲気で楽しかったのですが皆さん如何でしたでしょうか。私は割と低い高度でもとにかく前に進む様にしていたら、TP2あたりで同高度にやたらと熱気球が浮かんでいてぶつからないように飛ぶのに苦労しました。Youtube動画でも説明したのですが、スタート後にダイブ閉め忘れで随分と失高してしまったのが悔やまれます。

 さて、今週のタスクです。4月最後のタスクは先週と同じくCentro Italiaの東海岸。イタリアに来てYNさんがぶっちぎりの強さを見せているのですが、イタリア最終戦はどうなるでしょうか。

1.サーバスタート:4月24日午後9時。エントリーは20分間 
2.ゲートオープン:エントリー締め切り後1分〜120分間
3.クラス:15m
4.タスク:204.1km サーマル三角 スタート高度:1,200m(海抜)
5.トラックデータのアップロード、成績の発表はこちら
6.XCSoar用のタスクはこちら


 今回のタスクの地形は上記の地図では分かりにくいですね。いつもOpenCycleMapを使っているのですが、今回は一番下に載せているCondorのマップが一番判りやすいと思います。タスクは左回り、風は東南東の風です。

 さぁ、皆さんはどう攻めますか?今回もだらだらと山を上がっていきますが、第一レグの途中にそれなりの山があって東南東の風だとそこに上昇風が出来るかな?

 その後、山を越えてTP1まで来ると広い高原地帯。そこをTP2まで比較的平らなところを南東に向って進みます。山の形がどういう影響を与えているかちょっと微妙なところ。

 最後、第三レグをどう攻めるかは、少し意見が分かれそう。タスクラインをまっすぐ進もうとすると1,500mくらいの高い山脈を越えていかなくてはいけません。見た目では、山脈に向うあたりが山の風下側の沈下帯っぽい感じですが、一方でCondorの設定では雲底は2,050m。そこで、①沈下にはまる前に一気に上昇してまっすぐ越える、②思い切って風上に向って山脈を越えて風上側に回ってそこに期待されるリッジを使ってゴールに向う、③山脈手前の沈下帯を避けて西側に振れつつ進んだ後に山脈の切れ目を使って越えていく。。。さぁどれが良いでしょうか。私としては、TP1からTP2に向って飛んでいる間に上空の気象条件を見定めてこの三つの中のどれを使うのか決めるのだろうなと思っています。

 今回のGoogle Earth用のデータはこちらです。CondorのマップとGoogle Earthを見ながら作戦を練っておいて下さい。(NT3)





2021/04/19

JP Saturday Flight: 5月のシーナリー、横風での飛行機曳航

  そろそろ5月のタスクの準備。ちょっと前にポーランドのシーナリーにしようかと思ったのですが、ふと思い立って今度は今までと全く違った戦略が必要なリッジレースにしようと思います。今回の舞台は米国東海岸、ペンシルバニア州アパラチア山脈の洗濯板のようなリッジエリア。

 シーナリーはその名もRidge North (Condor 2)。Condor UpdaterかCondor Club、またはSkylineCondorのページから。エリアはそんなに広くないのですが、ダウンロードサイズは合計で9.1GB、展開すると12.7GBもあって結構でかい。

【シーナリー:Ridge North (Condor 2)】

 右のスクショはシーナリーのオープニング画像なのですが、こんなリッジが幾重にも広がっています。でも、ここのリッジは標高差で300mくらい。リッジを使うにはそこまで降りてこないといけない。私が初めてタスクにチャレンジした時には怖くて降りれなかったです。通常このシーナリーでリッジタスクの場合は20〜30km/hの風なので降りればリッジはあるのですが、隣のリッジに遷移するにはどこかでサーマルで上がらなくてはいけません。しかし、必ずしもリッジの最後のところにサーマルがあるとは限らないのでどこでサーマルを使うのかが運命の分かれ目。隣のリッジにたどり着く時もちょうど稜線の高さでたどり着くのが良いのですが、なかなかスタート高度が判らなくて無駄に高度をとってしまったりします。逆にえいっと飛び出したは良いものの風が強くて届かなかったりするとかなり焦ります。

 このシーナリーは欧州の人たちのマルチサーバではあまり使われることがないですが、以前アメリカ/南米の人たちのサーバに入っていた時には良く使われていました。こんな地形やタスクは日本ではほとんど無いと思いますので皆さんにも楽しんでもらいたいと思っています。

 練習のために二つほどフライト時間1時間程度のタスクをつくってみました。以下のリンクからダウンロードして練習してみて下さい。機体はAll Classにしてありますが、5月の本番はスタンダードクラスの予定です。

(前半サーマル、後半リッジ。どこからリッジに入る?)

 Ridge North Practice 1


TP1に向う際にリッジの端で充分な高度をとってから出発し、元のリッジに戻ってくる方法もありますが、練習ですのでTP2へは南のリッジを途中まで使って戻ってきましょう。リッジの遷移の練習です。)

 Ridge North Practice 2

(2021.4.20 タスクをちょっと修正しました。)

【強い横風での離陸】

 さて、Condorで難しいのは横風の離発着。リッジレースを面白くするためにタスクセッターが気象条件で風速を強くすることがあるのですが、そうすると離発着点の設定によっては横風が強くなってしまい離発着に苦労します。リアルでは発航中止でしょうといった強い横風でもCondorの場合はお構いなし、そうした場合は飛行機曳航ではなくGameエントリー時にAirborneになっていることも多いです。このRidge NorthのシーナリーではR/Wがリッジと平行になっている場合が多く、5月のタスクでも強い横風での離発着を強いられる場合が多いと思います。上記の練習タスクでぜひ横風離発着の練習もしておいて下さい。(^o^) 

(公開した後で調べてみたらこのブログで1月にも飛行機曳航の事について書いてました。今回は横風に特化したというところでご笑覧さい。😊)

 上記のPractice 1を使って横風の飛行機曳航の解説動画を作ってみました。R/Wに正対して右70°の方向から28km/s(約8m/s)の設定です。

 横風の曳航の時は、①風上側の翼端を少し下げた状態で滑走を行う②風見効果で機首が風上側に振られないようラダーをしっかり使う③離陸後に急な上昇や上昇遅れにならないようしっかり追随する事ができるようになって下さい。①は実機では翼端を少し下げた状態で出発しますが、Condorでは常に水平で出発するので滑走開始後横風にすくわれないようにエルロンをちょっと倒しぎみにスタートすると良いでしょう。また、②は実機では滑走時にテールを付けたままにするとよいと聞きましたが、Condorでその効果がどこまで出るのかは私はまだ試していません。強すぎても弱すぎてもダメ、ラダー踏み込みの丁度よい具合を経験で早く身に付けて下さい。横風出発の失敗のほとんどは②で収拾がつかなくなることです。最後の③は横風時に限らない事柄ですが、まずは出発前にトリム調整を忘れないこと、そうしないとCondorの場合はジョイスティックのスライダーの位置にかかわらず中立のままスタートしてしまいます。やや機首下げに設定して不用意に曳航機を釣り上げないように、離陸直後の不安定な時にもしっかりと機体を制御して離陸後にトリムの再調整をして下さい。Condorでは幾ら曳航機を釣り上げようとしてもびくともしませんが、実機でやってしまうと曳航機を墜落させてしまうので、Condorでしっかりと曳航機に追随出来るよう練習しましょう。

 おまけです。欧米のタスクでは飛行機曳航の曳航索の長さは50mになっています。一方、日本では60m、私のタスクでも60mに設定するようにしています。実はこの曳航索が短いと曳航中に機体が暴れるのでしっかりと機体を制御する必要があって難しいです。欧米のマルチサーバにチャレンジする時にはそのあたり注意して飛んでみて下さい。(NT3)

2021/04/15

JP Saturday Flight: 4月17日(土)のタスク

  先週のタスクはR/Wからスタート地点を少し離して設定してしまったので、曳航のやり直しができなくてスタート高度まで上がるのに時間のかかるタスクになってしまいました。スタートの前から少し難しいタスクになってしまいましたが、欧州からの参加者は見なさん撃沈する中、日本からの参加者4名は皆タスクコンプリート。欧州サーバのにぎわいにはかないませんが、日本のCondorパイロットの技量はそれなりになってきたのではと思います。日本でも30人くらいでわさわさと飛びたいので、もっとすそ野が広がって欲しいと願っています。イギリスのこんなレース動画を見ると楽しそうだなぁと思います。

 さて、今週のタスクはイタリア中部の東海岸に場所を移します。

1.サーバスタート:4月17日午後9時。エントリーは20分間 
2.ゲートオープン:エントリー締め切り後1分〜120分間
3.クラス:15m
4.タスク:210.5km サーマル三角 スタート高度:1,500m(海抜)
5.トラックデータのアップロード、成績の発表はこちら
6.XCSoar用のタスクはこちら


 いつもスタート高度は標高1,200~1,300mで設定するのですが、今回は前回の海抜1,500mのままCondor Clubにアップしてしまいました。じわじわと山に登っていくので、だんだん地上が迫ってきます。スタートがいつもよりも高いので最初のサーマルまで少し余裕があるといいですね。

 サーマルはModerateでVariationがLowなので前回と同じくちょっと渋めの条件になってしまったかもしれません。風はほぼ東風。風速は17km/hなのであまり斜面風は強くないのかなと思います。とはいえ、どこか稜線の当たりでどかーんという強いサーマルに当たらないかな。。。なぁんて。でも雲が低くてかぶってしまったらアウトです。第一レグにきれいな稜線があるのですが、風向きと上手く合っていません。リッジになってるかなぁ、ダメかなぁ。行ってみないとよく判らないですね。

 今回もGoogle Earth用のデータを作成しています。下見用にご活用下さい。ダウンロードはこちらから。

 さて、このところPlane Labelを1kmにしているので、よぉく見ていないと他の機体がどこにいるのか見つかりません。もう少し参加者が多いとすれ違うことが多くて面白いのですが、人数少ないとあまり他の機体に会うことがなくてちょっと寂しいですね。とはいえ、他機警戒はしっかりとお願いします。いつばったりと会ってしまうか分かりません。安全第一でよろしくどうぞ。(NT3)



 


2021/04/08

JP Saturday Flight: 4月10日(土)のタスク

 Centro Italiaで二本目のタスク。 15mクラスをフルバラストで飛ぶのは難しいですが、暴れる機体を押さえ込んで機敏な動きで上手くサーマルを掴めると嬉しいです。慣れてない方はバラスト半分くらいからどうぞ。

 さて、今回のタスクです。

1.サーバスタート:4月10日午後9時。エントリーは20分間 
2.ゲートオープン:エントリー締め切り後1分〜120分間
3.クラス:15m
4.タスク:215.7km サーマル三角 スタート高度:1,500m(海抜)
5.トラックデータのアップロード、成績の発表はこちら
6.XCSoar用のタスクはこちら

 風がそれなりに吹いていて、それなりの山を越えていきます。山深いところに入っていく感じではないですが、ビューンと飛び越えるにはどこでサーマルを掴むべきか、どこまで上がると越えられるのか考えて飛ぶ必要があります。

 第一レグは1,800mくらいの山を越えていきますが、風下に向って飛んでいくので斜面をトリガーとしたサーマルを上手く掴むとぐいぐい上がっていけるのではないかと思います。

 一方、第二レグと第三レグは風向きと山がちょっといやらしい向きにあったりします。山の風下側の吹き下ろしに捕まらないように、スタート高度を考えつつ一機に飛び越えましょう。風下側から山を飛び越えたあたり、ちょうど山の向こう側でサーマルに当たると、それなりに強いサーマルが期待されます。そうした場合、私は尾根が低くなっているあたり、あるいはこれから成長していくであろう積雲のあるところを狙って山を越え、上手くサーマルに当たらなくてもリッジを使って高度低下を稼ぎつつ積雲のあるところまで切り上がっていく、そんな作戦をとると思います。

 第三レグはやはり山を斜めに横切るのですが、あまり標高は高くないのでタスクラインに添って飛んでいってもいいのかもしれません。でも出来れば早めに風上側に渡って斜面風を使って沈下少なく飛んでいきたいところです。行ってみないと状況は判らないので、作戦が上手く当たるかどうかは分かりません。その場その場での判断が試されるのだろうと思います。

 今回もGoogle Earth用のkmzファイルを作ってみました。こちらからダウンロード下さい。

 さあ、今回はどんなレースになりますか。楽しみにしています。 (NT3)







2021/04/03

Condor2: Extreme Weather Setting

  先日、Condor Forumでタスクファイルをテキストエディターで書き換えると、Condorの中からは設定出来ない気象条件を作ることが出来るとのポストがあったので試しに作ってみた。タスクファイルをこちらからダウンロードして試してみて欲しい。シーナリーは今月のCentro Italia、クラスはAllで設定。バチカン・サンピエトロ大聖堂への観光フライト。皆さんお好きな機体でどうぞ。なお、積雲が極端に多くてGPUがフル回転になるのでGraphic設定を一段階下げる必要があると思う。



 さて、タスクの気象条件はこちら。これ見てむむむって気が付くだろうか?Condorでタスクを作ると雲底は1,000m以上でしか設定出来ないのだが、テキストエディターで気温と露点温度を書き直してやるとなんと1,000m以下の設定も出来てしまう。おまけにThermal Activity、Flat activity、Streetingが空欄になっているのだが、こちらもテキストエディターで大きな値をいれてやると、積雲もくもく、バリバリのクラウドストリートが出来てしまう。サーマル強さはWeakだが、Activityが極端に高いのでバリエーションがかなり大きく、強いプラスもあれば、強いマイナスも有る条件。


 さて、この画像はStemmeを使って高度3,000m近くまで上昇してスクショを撮ったもの。思いっきりクラウドストリートが出ているの分かるだろうか?雲底まで上がってしまうと、自分の行き先の雲の様子が全く分からなくなるので、雲底より少し下の方を飛びながら、地上に移る前方の雲の影も確認しながら飛んでいって欲しい。


 私はASW-19で試してみたのだが、記録は1:38:28、97.36km/h。クラウドストリートの方向がタスクラインとずれているので判断が難しかったが何とかタスクコンプリート。高度500m以下まで降りることが多いのでいつになく緊張するが、内陸側と海側の雰囲気が違っていて面白い。距離は160kmと短いので、まずは雰囲気を味わいたいという方は高速機、チャレンジングに飛んでみたい方はClubかSchoolクラスでどうぞ。



 なお、残念ながらCondor Clubではテキストエディターで書き換えたタスクは受け付けてくれないので結果をCondor Clubでシェアすることが出来ないが、マルチサーバでの運用は可能。オフラインで飛んでみた感想をこのブログのコメントやTwitterで教えてもらえるとありがたい。好評であればJP Sat.Flightでこの手のタスクも取り上げてみたい。 (NT3)


雲底まで来ると先が見えない。

このくらいが先の見通しが楽。雲の影も参考に。

TP1:サン・ピエトロ寺院




2021/04/01

JP Saturday Flight: 4月3日(土)のタスク

  さぁ、4月になりましたので新しいシーナリーに行きます。既にTwitterでお知らせしたようにCentro Italia、イタリアのシーナリーにチャレンジです。AA2の様に山深いということではないですが奥に入っていくと少し山があるので注意が必要です。XCSoarをお使いの方はこちらからマップデータをダウンロードしてインストール下さい。多分どなたかが作ってくれたデータを取ってきたのだと思いますが、出典が分からなくなってしまいました。もしかしたら私がXCSoarの公式ページで作ったのかもしれません。

 さて、今回のタスクです。

1.サーバスタート:4月3日午後9時。エントリーは20分間 
2.ゲートオープン:エントリー締め切り後1分〜120分間
3.クラス:15m
4.タスク:196.3km サーマル三角 スタート高度:1,200m(海抜)
5.トラックデータのアップロード、成績の発表はこちら
6.XCSoar用のタスクはこちら

 中央イタリアではRietiがグライダーポートとして有名なのですが、Tucanoを起点としてRieti平原の周りをぐるりと回る三角です。実はこのタスクの地形確認をしていないのでどんなフライトになるかタスクセッターもよく判っていません。サーマルはStrong、Wideにしてあるのでタスクコンプリートは出来ると思いますが。。。

 風は18m/s、山の斜面を上手く使うと上昇風を見つけることが出来るのではないかと思います。最終レグは山脈に沿って南に下ってきますが、地図上ではでこぼこしていてきれいなリッジになっていない様に思いますがどうでしょうか?

 今回はタスクの下見用にGoogle Earthのファイル(.kmz)を作ってみました。こちらからダウンロードして開いてみて下さい。Condorのタスク→CoTaCoを使ってXCSoarのタスクに変換→GPS Visualizerを使って.kmzに変換しています。

 今月はじゃじゃ馬15mクラスです。今月最初のタスクなのにクラスをあまり深く考えないでTurbulanseをModerateにしてしまいました。少し難しいかもしれませんがClubクラス、18mクラスとはまた違ったフライトを楽しんで下さい。      (NT3)





Japan-East:関東/甲信越のシーナリー公開

  関東/甲信越地方のCondorシーナリー「Japan-East」を公開します。  本当はCondor Clubで公開したかったのですがTextureのばらつきが多いので却下されてしまいました。エリア的にはSeguiさん作成のCentral Japan2と完全にかぶっていますが...