2021/05/06

Condor2で使うコントローラー(その3:ヘッドトラッキング-TrackIR)

 コントローラー解説シリーズの第三段はヘッドトラッキング/VR。

 私はフライトシムを楽しむための最も大事なことはGを感じる事がない中で、如何にバーチャルな空間上の自分の姿勢や他者との位置関係を感じ取ることが出来るかだと思っています。

 Condorでも操縦系統に加えて視点移動をスムーズに行うことが良いフライトをする鍵になります。視点を自由に動かすことは対機警戒や周りの積雲の状況を見るのに必要なのですが、サーマル旋回中にはグライダーから見ると斜め方向に視点を動かさないといけないので上下左右のカーソルキーでの移動は困難です。特に私が一番気になるのは場周パターンで着陸しようとする時にダウンウィンドレグで肩越しにR/Wの確認をどうするか。

関西大学航空部さんのTwitterより
 お金と広いお部屋が有る場合は右の画像の様にマルチ画面で業務用の訓練シムの様なものを作ることが出来ますが、お家シマーはなかなかそうはいきません。そこで私はCondorを始めた当初からヘッドトラッキングをCondorを始めた当初から使っています。そうしたところ、最近ではVRがお手ごろな値段に下がってきたのでCondor界でも人気急上昇中です。

 さて、そこでこれから視点移動のためのヘッドトラッキングとVRについて順番に説明してみましょう。


【ヘッドトラッキング】

 ヘッドトラッキングというのは頭の動きを検知して、それをつかって画面を動かしてしまおうというもの。視点を動かすのにマウスを使って上下左右に動かすことがありますが、それを頭の動きを使ってやってしまおうというものです。
 たとえば頭を右に45°回転させたらシムの中では135°回転させるといった設定をします。そうすると頭を右に振りつつ、目線がパソコン画面を見るために少し左に横目遣いにすることになるので最初は違和感がありますが直ぐに慣れると思います。私のように慣れてしまうとこのスムーズな視点変更はなくてはならないものになってしまいます。

 ヘッドトラッキングの導入の仕方にはいくつか方法があります。
 ①TrackIRを購入して、帽子に付属の反射板を付ける
 ②TrackIRを購入して、ヘッドセットにオプションの赤外線ランプをつける
 ③OpenSourceのOpenTrackをPCにインストールしてArcoマーカーを帽子などにつける。(Webカメラが必要)
 ④OpenSourceのOpenTrackをPCにインストールして、頭の動きの検知はスマホ/タブレットのアプリで顔を検知して行う。

 まずは気になるのが導入費用。VRも含めてまずはそちらを先に説明すると。。。

 ①と②はヘッドトラッキングの老舗商品であるNatural Point社のTrackIRという製品を使うものです。本社のサイトから直接購入すると少し安くなりますが、日本の代理店が昨年暮れ頃からオプションのTrackClip Proとのセットで23,800円でリニューアル発売しています。面倒なことはどうもと言う方は市販品のこちらがお手ごろです。お金に余裕の有る方はVRのOculus Quest 2との比較でどちらを取るかというところでしょうか。

 ③はソフトの方は無料。Arcoマーカーもプリンターで印刷して段ボール紙などに貼り付けるだけ。あとは普通のWebカメラがあればOK。ノートパソコンなら内蔵カメラで大丈夫です。

 ④は同じく無料のソフトとスマホ/タブレットに数百円から2千円程度のアプリを導入。WifiかUSBケーブルでPCと繋いで使うもの。Condorで遊んでいる間はそのスマホ/タブレットが使えなくなるのが難点。古いスマホを大事に持っている人はそれを使うことが出来ます。 

 では、それぞれについてもう少し詳しく書いてみましょう。


①② Natural Point社製TrackIR:本体は右の写真。赤外線発光/受光器です。これに反射板が標準で付いていて、オプションでTrackClip Proという赤外線発光器があります。





 ①の反射板はこんな形をしていて金属製。野球帽のつばのところに付けるのに丁度よい形状に作られています。ヘッドセットを使っていない場合や余計なケーブルの取り回しを避けたいかたにはこちらが使いやすいです。


 帽子に付けたところはこんな感じ。白く光っているところが反射板で本体から来る赤外線をここで反射してもう一度本体で受信します。反射光を使っているため、本体との距離があまり離れると苦しいようです。机に座って画面が目の前にある場合は全く問題ありませんが、私は大画面テレビを使って楽しんでいるのでこちらではなく②のタイプを使っています。また、自分の後ろ側に明るい窓やランプがあると誤作動してしまいます。昼間だとカーテンなどで工夫する必要があるかもしれません。


 先に書いたように少し本体との距離が有る場合や、もう少し精度を高めたい場合は②のTrackClip Proを使ます。ただし、こちらはUSBで電力を供給する必要があって、データのやり取りはないのでPCとの接続は必要ないものの電源をどこからとるか考えなくてはいけません。それから右の画像のようにヘッドセットあるいはカチューシャの様なものに取り付けないといけないのでスピーカーで楽しんでいる方は工夫が必要です。私は千円程度のパッドの小さなヘッドホンを買ってきて左右反対に使って耳を塞がないよう耳の前にパッドを当てるようにしています。

 使い方は以下のリンクから本家のサイトやYouTubeを参考下さい。

設定画面。緑の点がClipのランプ。対応
GameリストにCondorも入っているので、
Profileを登録するとGameごとの自動切り
替えも可能。           

 また、Condor用のProfileは以下のCondor Forumでjanjansenさんが公開してくれています。TrackIRのデフォルトProfileでも特に問題はありませんが、これらのProfileではTrackIRの動きを少し制限して視点がコックピットから出てしまわないようにします。少し使い慣れたらパラメーターを調整して自分好みのProfileにしていくとよいと思います。





 さて、ここまで書いたところで少し紙面も長くなったので一旦休憩。次のポストではこのTrackIRと同じ機能をOpenSourceのソフトと手持ちの機材だけで使う方法、上記の③と④の方法について書いてみます。私が最初にこのTrackIRの事を書いたのは、お値段はそれなりにするもののやはりこの製品を信頼しているから。でも、そこまでは予算がないという方は次に書くお手軽コースをお試し下さい。

 なお、ヘッドトラッキングとVRとの比較は結構難しいです。私的にはなかなかVRに踏み出せないか、もしくはこれからタスクで使い分けるようになるか、どちらかになると思います。その理由についてはまたその次のポストでご紹介します。        (NT3)

0 件のコメント:

コメントを投稿

Japan-East:関東/甲信越のシーナリー公開

  関東/甲信越地方のCondorシーナリー「Japan-East」を公開します。  本当はCondor Clubで公開したかったのですがTextureのばらつきが多いので却下されてしまいました。エリア的にはSeguiさん作成のCentral Japan2と完全にかぶっていますが...